夕づる集会

 加茂小学校には,今年(令和2年度)で37回目を迎える「夕づる集会」があります。これは,佐渡市北片辺に伝わる「鶴の恩返し」という昔話が原点になっている全校児童によるオペレッタです。昭和59年の第1回公演以来,特色ある教育活動として受け継がれ,今では「加茂小学校といえば夕づる集会」と言われるほど伝統的かつ代表的な行事として定着しています。
 作品の登場人物「つう」と「与ひょう」は,6年生全員参加によるオーディションで決まります。1年生は,「つう」と一緒にかごめかごめで遊ぶ子ども役です。でも,出演者はそれだけではありません。あいさつ・ナレーター・合奏・合唱も全校児童が演じ,さらに,照明・大道具・舞台装置の操作など,公演にかかわるすべての仕事を子どもたちだけで行うのです。すなわち,一人一人が主役となる「夕づる集会」なのです。
 10月始めにオーディションが行われ,一人一人の役割が決まり,練習が始まります。夕づる集会が近づくと,オペレッタ「夕づる集会」のメロディーが校内のあちらこちらから聞こえてきます。
♪「とんとんからり とんからり」♪「じいやんにきせる ふとぬうの」♪「とんとんとん こんばんは」♪「おらのうちはこのとおり」♪「かごめ かごめだよ」♪
 朝の会,昼休み,放課後と,子どもたちは時間を見つけては練習を繰り返し,日に日に上手になっていきます。
 当日は,150名前後の保護者・来賓・地域の方々が見守る中,全校児童で作り上げた「夕づる集会」を上演します。
 夕づる集会は加茂小学校の誇りであり,地域の財産でもあり,そして6年間演じ続けた子どもたちにとっては,一生の宝物になっているのです。


「夕づる集会」10周年記念誌より

 「子どもたちは,それぞれが生まれた土地で過ごし,様々な経験を経て成長する。その過程は,生まれ育った地域や社会と切り離しては考えられない。したがって,子どもが豊かでたくましい心をもち,すべての人々を愛するようになるためには,まず,身近な人々や土地との触れあいにおいて愛することの意味を知り,愛する行為を身に付けていくことが基本となる。
 郷土の美しい自然や優れた文化,芸能,先人の苦労や偉業等に直接触れながら学ぶことを通して,郷土を大切にし,もっとすばらしいものにしたいという願いに高められていく。地域社会の一員としての所属感や連帯感も芽生えてくる。佐渡の子どもたちの多くは,成人して佐渡を離れ,いろいろな土地で暮らすことになろう。加茂小学校の子どもたちも例外ではない。しかし,その土地のすばらしさを知り,先人の成し遂げた多くの困難を学んだ子どもたちは,必ずやそれぞれが生活する土地でその土地を愛し,よりよくするために励んでくれるものと信じている。そして,加茂小学校の子どもたちが「つう」の心を持ち続けることを願いながら,今年もまたオペレッタ「夕づる」の成功のために,努力しようと考えている。」